腹膜透析(PD)

腹膜透析(PD)

PDに伴う合併症(感染症)

2 - 4.PD腹膜炎の起因菌別治療

日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章ポイントより引用

 

1)コアグラーゼ陰性ブドウ球菌

  • セファロスポリン系抗菌薬,耐性菌の際にはバンコマイシンを2週間腹腔内投与する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

2)黄色ブドウ球菌

  • 有効な抗菌薬を3週間投与する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

3)腸球菌

  • バンコマイシンを3週間腹腔内投与する。重症例ではアミノグリコシド系抗菌薬の追加投与を検討する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

4)連鎖球菌

  • 有効な抗菌薬を3週間腹腔内投与する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

5)コリネバクテリウム

  • 有効な抗菌薬で3週間治療を行う。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

6)緑膿菌

  • 2種類の機序の違う抗菌薬で3週間治療を行う。カテーテル感染に伴う場合にはカテーテル抜去が必要になることが多い。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

7)その他の(非緑膿菌性)グラム陰性菌

  • 有効な抗菌薬で3週間治療を行う。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

8)複数菌による腹膜炎

  • 複数の腸内細菌が検出された場合は,外科的処置の必要性を速やかに評価する。
  • 複数のグラム陽性菌が検出された場合は,抗菌薬治療を3週間継続する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

9)培養陰性腹膜炎

  • ISPDガイドライン2016では培養陰性腹膜炎は15%以下にすべきと勧告されている。
  • 抗菌薬治療を行って5日が経過しても,十分な効果が得られないのであればカテーテル抜去を積極的に考慮すべきである。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

10)真菌性腹膜炎

  • 真菌性腹膜炎ではカテーテルを速やかに抜去する。
  • 抗真菌薬はカテーテル抜去後2週間継続する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

11)結核性腹膜炎・非結核性マイコバクテリウム

  • 結核性腹膜炎はイソニアジド,リファンピシン,エタンブトール,ピラジナマイドの4剤での治療が基本である。
  • 非結核性マイコバクテリアによる腹膜炎はアミカシンやクラリスロマイシンを含んだ複数の抗菌薬で治療する。
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日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章よりバクスターが作図

 

腹膜炎の種類と定義日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章より引用

再発性
(Recurrent)
前回の腹膜炎の治療完了後約4週間以内に発症する腹膜炎で、病原微生物が前回と異なっているもの
再燃性
(Relapsing)
前回の腹膜炎の治療完了後約4週間以内に発症する腹膜炎で,病原微生物が前回と同一か、もしくは菌が検出できない場合
反復性
(Repeat)
前回の腹膜炎の治療完了後週間以上経過した後に発症した腹膜炎であり病原微生物が前回と同じ微生物である場合
難治性
(Refractory)
適切な抗菌薬を投与しているにもかかわらず,5日間経過した後でも排液の混濁が消失しない場合
カテーテル関連腹膜炎
(Catheter-related peritonitis)
腹膜炎の原因菌と同じ微生物が検出される出口部感染またはトンネル感染を合併する腹膜炎と定義されるが,出口部から微生物が検出できない場合もある

発症率カウントで注意すべき点:

  • PD練習開始初日(PD開始時)よりカウントを行うこと
  • 再燃性腹膜炎(腹膜炎治療終了4週以内に発症した同一菌による腹膜炎)は1回としてカウントすること
  • 入院中、医療者が交換を行っている際の腹膜炎もカウントすること

 

カテーテル抜去と再挿入日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第六章より引用

1.    難治性,再燃性,真菌性腹膜炎の場合に、もし臨床的に禁忌でなければPDカテーテルを抜去する。 基本は、カテーテルの温存ではなく“腹膜をいかに護るか” である。
2.    難治性、再燃性、真菌性腹膜炎によりPDカテーテル抜去が行われた後に新しいPDカテーテルの再挿入を考えるのであれば、カテーテルを抜去し,腹膜炎に伴う症状が完全に回復してから少なくとも2週間の間隔をあけて行うことが望ましい。

 

カテーテル抜去の適応

  • 難治性腹膜炎
  • 再燃性腹膜炎
  • 難治性出口部感染、および難治性トンネル感染
  • 真菌性腹膜炎
  • 以下の病態についてはカテーテル抜去も考慮
    • 反復性腹膜炎
    • マイコバクテリアによる腹膜炎
    • 複数の腸内細菌による腹膜炎

 

 難治性腹膜炎や真菌性腹膜炎に対しては、新しいPDカテーテルの再挿入をカテーテル抜去に続けて行うのではなく、2週間程度のHD管理を経て再挿入すべきと言われています(1)(2)。
 重篤な腹膜炎発症後でも約50%の患者がPDを再開することができるとの報告も有り(1)(2)(3)、PDカテーテル再挿入までは最低2~3週間おくこと(1)(2)(4)(5)、真菌性腹膜炎の症例では再挿入までの期間をさらに長くとることが望ましいと言われています(6)(7)。

 

  • 1.    Szeto CC, et al. J Am Soc Nephrol 2002; 13: 1040-5.
  • 2.    Troidle L, et al. Adv Perit Dial 2005; 21: 98-101.
  • 3.    Chan TM, et al. Nephrol Dial Transplant 1994; 9: 539-42.
  • 4.    田中寿絵, 他. 腎と透析 2010; 69別冊腹膜透析2010: 363-5.
  • 5.    宗像優, 他. 腎と透析 2014; 77別冊腹膜透析2014: 159-60.
  • 6.    Matuszkiewicz-Rowinska J. Perit Dial Int 2009; 29(Suppl 2): S161-5.
  • 7.    Miles R, et al. Kidney Int 2009; 76: 622-8.

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