腹膜透析(PD)

PDにおける遠隔患者マネジメント

概要

2018年に腹膜透析分野において国内はじめてのクラウドベース通信プラットフォームであるシェアソース(腹膜透析用治療計画プログラム)が発売され、PD治療においての遠隔患者管理が開始されました。遠隔医療が注目される環境変化の中、2022年には、診療報酬改定にて遠隔モニタリング管理加算が新設されるなど、PD領域での遠隔患者管理への期待も高まっています。

また、シェアソースが患者さんの臨床アウトカムと医療者の業務効率に与える影響について、慶應義塾大学においてランダム化クロスオーバー試験にて評価がなされました。結果、治療満足度、健康関連QOL、透析効率、業務効率の項目で改善・向上が認められています。(※1)

 

論文の概要 

【目的】

  • 遠隔患者管理 (RPM) によるAPD患者の予後改善効果を前向きに検討した

【方法】

  • 対象は、かぐやを用いたAPDを施行している患者15名 (男性 10名、年齢の中央値 65歳、PD期間 6.4 ± 3.5年)
  • 無作為に2群に分け (Ⅰ群 n=8、Ⅱ群 n=7) 、クロスオーバーにて各12週、シェアソース (SS) 併用、非併用でAPDを施行

fig

(引用元であるUchiyama K, et al. Int Urol Nephrol. 2022. より、バクスターにて作図)

  • 評価項目は
    • <主要評価項目> 修正Treatment Satisfaction Questionnaire for Medication (TSQM-9) 質問紙による治療満足度評価
    • <副次評価項目> KDQOL-SFによる健康関連QOL (HRQOL) 評価、医療資源の消費、その他 臨床検査値
  • 統計解析は、連続変数については、t検定あるいはウィルコクソンの符号順位和検定、マンホイットニーのU検定を、カテゴリー変数についてはマクネマー検定を用いて2群間を比較

【結果】(一部抜粋)

fig

*    KDQOL尺度ならびに「全体的健康感」・「活力」を除く下位尺度については両群間に有意差を認めていない。
** 処方変更と透析効率の変化との関連は検討されていない。

(引用元であるUchiyama K, et al. Int Urol Nephrol. 2022. の結果を基に、バクスターにて作図)

修正Treatment Satisfaction Questionnaire for Medication (TSQM-9) 質問紙を用いた治療満足度評価

  • 「治療の効果」と「治療の容易さ」のスコアが有意に高かった
  • 「全体的満足感」に有意差を認めなかった

 

ここでは、遠隔患者マネジメントシステムの有効活用に関して、ご施設の取り組みを紹介いたします。腹膜透析医療に携わる医療従事者の皆様の一助になれば幸いです。
(販売名 シェアソース 承認番号 22800BZX00345000)
(販売名 ホームPDシステム かぐや 承認番号 22800BZX00454000)

※1 Uchiyama K. et al. Effects of a remote patient monitoring system for patients on automated peritoneal dialysis: a randomized crossover controlled trial. Int Urol Nephrol. 2022 Apr 1:1–9.

論文はこちらからご確認いただけます。
(本研究は、バクスター株式会社より研究助成を得て実施されました。)

 

●遠隔患者マネジメントシステム活用の取り組み紹介

1:腹膜透析における遠隔患者管理の現状と今後 
2:腹膜透析医療の向上に向けて ~多職種チームによる遠隔患者マネジメントシステムの活用~
3:シェアソースを活用した遠隔患者マネジメント ~連携の実際と今後に向けて~ 会員ログインが必要です)
4:シェアソースCafé 医師・臨床工学技士から見たサイクルプロファイル ~当院におけるシェアソース活用の実際  サイクルプロファイルを活用した処方変更/介入症例~ 会員ログインが必要です)

 

●シェアソース:クリニカルケースシリーズ

シェアソース活用によりPD患者管理の業務効率や治療アウトカム、医療連携の向上が得られた事例の共有と、そのために行った独自の取り組みを紹介いたします。

 

「シェアソース」の活用による医療リソース消費の削減・患者満足度の向上【前編】
臨床研究から得られたエビデンス(JP—210074-V1)

 

「シェアソース」の活用による医療リソース消費の削減・患者満足度の向上【後編】 
「シェアソース」活用のモデルケース(JP—210076-V1)

 

腹膜透析地域連携におけるかぐや・シェアソースの活用
「業務効率/OUTCOME」 (JP—210089-V1)

JP-RC42-220016-V2

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