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領域別情報

腹膜透析(PD)

PDに伴う合併症(感染症)

2 - 2.PD腹膜炎の予防

ISPD腹膜炎ガイドライン2016より抜粋

 

1) 腹膜炎発症率

  • すべてのPDに関するプログラムと腹膜炎発症率は最低でも1年に1度は見直すべきであることを勧告する (1C)
  • 見直す項目は全体としての腹膜炎発症率、菌種別の腹膜炎発症率、腹膜炎無罹患患者の年間の割合(%)、腹膜炎起炎菌の抗菌薬感受性を含むべきであることを勧告する(1C)
  • 腹膜炎発症率を通常報告されているごとく、1患者年当たりの発症例数として報告することを推奨する(グレードなし)
  • 起炎菌別の腹膜炎発症率を比率のみではなく、年間 の実数を記録すべきであることを推奨する(グレードなし)
  • 診療プランの質を継続的に改善(CQI)するための一環として、すべてのPDプログラムにおいて定められた頻度で腹膜炎発症率を検討すべきである。
  • ISPD委員会では腹膜炎発症率を1年当たりの例数として経年的に示すのが好ましいと考えている。

腹膜炎報告の作成方法

  • 率(すべての感染事例数と原因菌を計算する):ある期間における微生物による感染の数、その間のPDを受けている患者の透析年数で割る。年あたりの発症数で示される
  • ある期間当たりの腹膜炎に罹患しなかった患者を百分率%で示す
  • PD治療における腹膜炎発症率の中央値(各患者の腹膜炎発症率を計算し、それらの中央値を求める)

注:Relapsing(再燃性)腹膜炎(定義については表6を参照)は単一の発症事例として数える

 

腹膜炎発症がPD訓練の初日に起こったものでも腹膜炎発症率としてカウントすべきであるが、再発した腹膜炎は発症頻度1回として計算すべきである。
カテーテル挿入後に発症したもの、患者が入院している場合やPDがナースによって行われている期間に起こった腹膜炎歴も計算に入れるべきである。
全腹膜炎発症率の算出に加えて、起炎菌別、薬剤感受性についての統計をも取っておく必要がある。このことは各施設における傾向を捉えることができ、該当施設に適合した初期治療(培養、薬剤感受性結果が判明する以前に自分の経験と状況から判断して行う治療)として用いる抗菌薬の選択ができる。

 


2) 腹膜炎の予防

カテーテル留置

  • カテーテル留置を行う直前に腹膜炎予防目的で抗菌薬の全身投与を行うことを勧める(1A)
  • 各施設における抗菌薬抵抗性の細菌群の存在状態に照らし合わせて、PDプログラムごとに予防的抗菌薬を選択すべきである

 

接続方法に関して

  • 本委員会はcontinuous ambulatory PD(CAPD)において“flush before fill” ―注入前に1度洗うという方式―を推奨する(1A)

 

教育プログラム

  • PD患者教育、治療スタッフの教育について最新のISPD勧告の順守を推奨する
  • PDの教育は一定の能力と経験を有するナースにより主導されることを推奨する(1C)
  • PD教育について推奨されている実践については詳細に記述されたISPD患者教育ガイドラインを参照されたい。
  • 教育専門家の意見によれば初期教育に加え、再教育を行うことは「間違いを減らす」という観点から重要である。

PD再教育の適応

  • 入院が長期化した時
  • 腹膜炎および/またはカテーテル感染があった時
  • 手指の細かい動き、視力などの変化および精神的混乱があった時
  • PD関連機器の取り扱い会社が変更された、 または接続方式の変更があった時
  • 何らかの理由でPD中断が行われた後(例えば一定期間に移行していた場合)

 

カテーテル出口部のケア

  • 毎日のカテーテル出口部のケアについて抗菌薬のクリームまたは軟膏の局所塗布(ムピロシンまたはゲンタマイシン)を推奨する(1B)
    注)本邦では、ムピロシン軟膏(バクトロバン®)の適応は、『鼻腔内のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の除菌』に限られている
  • 腹膜炎のリスクを減らすために出口部またはカテーテルトンネルの感染について適切な処置を推奨する(1C)
    出口部の通常のケアと透析液バッグ交換の際に手指の清潔を厳密に保つことを患者教育に際して強調すべきである。透析液バッグ交換の際にマスクをつけることは望ましい。

 

腸管と婦人科的原因に由来する感染

  • 本委員会は大腸内視鏡(2C)と侵襲的婦人科関連手技(2D)に先立ち予防的抗菌薬の使用を推奨する
    PD関連腹膜炎は侵襲的処置後にしばしば発症する(例:大腸内視鏡、子宮内視鏡、胆のう切除術)ので、予防的抗菌薬の使用が推奨されるが、適切な抗菌療法については明らかになっていない。

 

その他の修正可能な要因

修正可能な腹膜炎発症の危険因子

社会的 / 環境的なもの

  • 喫煙
  • PD施設からの距離
  • ペット

医学的事項

  • 肥満
  • うつ
  • 低カリウム血症
  • 低アルブミン血症
  • ビタミンD投与が行われていない
  • 侵襲のある処置(たとえば 大腸鏡)

透析関連事項

  • 先行的血液透析を施行
  • 患者の選択に反するPD療法
  • 患者教育の問題
  • 生体適合性の低い透析液の使用
  • 透析液からの汚染(Wet contamination: 例えばバッグ交換時の汚染、液もれ部位からの感染など)

感染関連

  • 黄色ブドウ球菌の鼻腔内保菌
  • 出口部感染(ESI)の予防

ESI:出口部感染 *出典:Choら

 

PDセンターの継続的な質的改善(CQI)

  • 本委員会はそれぞれのPDセンターが腹膜炎発症率を減少させるためのCQI計画を持つことを推奨する(1C)
  • 本委員会はPDセンターにおける多職種からなる医療チームはCQI計画を実行し、自分たちの施設における行動計画を定期的に見直すことを推奨する(2C)

 

二次予防について

  • 本委員会は真菌性腹膜炎を予防するためにPD患者が抗菌薬投与を受けている場合に抗真菌予防策をとることを推奨する(1B)

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