1)注・排液不良
(1)診断と原因
- 診断
- 注液時間または排液時間が通常より長くなる、注排液量の減少がみられる
- 注液時間または排液時間が通常より長くなる、注排液量の減少がみられる
- 注液異常の原因
- カテーテルの折れ曲がりによる機械的閉塞
- 疑血塊やフィブリンなどによる閉塞
- 排液はできるのに注液ができない→アコーディオンクロット(フィブリン)
- 排液異常の原因
- カテーテルの折れ曲がりによる機械的閉塞
- フィブリンや凝血塊などによる閉塞
- 膀胱による圧迫
- 骨盤外腔へのカテーテル位置異常
- 大網、卵管采、腹膜垂などの巻絡
- PPFLへの誤挿入
(2)対処方法
器械的閉塞 | 外科的修復 |
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凝血塊やフィブリンによる閉塞 | ミルキングやヘパリン注入 血栓除去カテーテルの使用
|
カテーテル位置異常 | カテーテル先端が下になるような体位で排液してみる 下剤・浣腸による便通コントロール αリプレイサーというガイドワイヤーを用いたα整復術 CRF(catheter repair by α forefinger:示指挿入矯正法) 腹腔鏡下での位置修復 |
大網巻絡 | 開腹または腹腔鏡下での大網切除術 |
(丹野有道、2011、「腹膜透析療法マニュアル」、東京医学社、P181-188 一部改編)
2)カテーテル損傷
- 原因
- カテーテルの誤切断やラジオペークラインの亀裂など
- カテーテルの誤切断やラジオペークラインの亀裂など
- 対処法
- 損傷部位よりも中枢側をクランプし、ただちに来院してもらい、チタニウムアダプターと接続チューブを交換する
- 損傷部位よりも中枢側をクランプし、ただちに来院してもらい、チタニウムアダプターと接続チューブを交換する
- カテーテルの損傷部位と出口部の距離が近い場合は、エクステンダーとエクステンションチューブでカテーテルを延長する
(丹野有道、2011、「腹膜透析療法マニュアル」、東京医学社、P181-188 一部改編)
3)カテーテル挿入晩期(創部安定期)のリーク
- 原因
- 腹膜カフヘの感染によるか、カテーテルのラジオペークラインの亀裂などのカテーテル損傷
- 腹膜カフヘの感染によるか、カテーテルのラジオペークラインの亀裂などのカテーテル損傷
- 診断
- 滲出液なのか透析液がリークしているのかは、ブドウ糖検出試験紙でブドウ糖濃度を確認することで容易に区別がつく
- 滲出液なのか透析液がリークしているのかは、ブドウ糖検出試験紙でブドウ糖濃度を確認することで容易に区別がつく
- 対処法
- リークは腹膜炎のリスクとなるので、抗菌薬を投与しながら、前述のカテーテル損傷に準じた対応またはカテーテルの抜去、再挿入を行う。
- リークは腹膜炎のリスクとなるので、抗菌薬を投与しながら、前述のカテーテル損傷に準じた対応またはカテーテルの抜去、再挿入を行う。
(丹野有道、2011、「腹膜透析療法マニュアル」、東京医学社、P181-188 一部改編)