PD導入のポイント
- 胃瘻患者へのPD導入は禁忌でなく、合併症もなくPD施行は可能。(1)
- 胃瘻患者へのPD導入:術後最低でも2週間以上の間隔をあけてPDを導入。(1)(2)
他、症例報告(3)(4) - PD患者への胃瘻造設:PDを中止しHDで管理したうえで造設し、術後最低でも2週間以上(1)、6週間以上(2)の間隔をあけた後にPDを再開する。
- 胃内容物の逆流による誤嚥性肺炎を予防するため、PDの注液量を少量から始める。(1)
- 近年はPEGの代わりに経皮経食道胃管挿入術(PTEG)を造設したPD症例の報告。(5)(6)(7)
PEG、PTEG、経鼻栄養の長所・短所の比較(5)
PEG、PTEG、経鼻栄養の各特長を理解して使い分けることが重要です。
経鼻栄養
手術が不要で留置が容易であるが、排痰が困難で鼻腔・咽頭部の痛みがあり、長期留置には向いていません。
PEG
排痰が可能で鼻腔・咽頭部の痛みは無く手技が比較的容易だが、腹膜炎や出血、他臓器穿刺のリスクがあり、初期管理がやや困難です。
PTEG
排痰が可能で鼻腔・咽頭部の痛みは無い。入浴が容易でPEG実施困難例にも適応できる。留置が容易で腹膜炎のリスクが無いことからPD患者にも適応しやすいが、留置チューブが長いため閉塞に留意が必要です。
【参考文献】
- 1. 石崎允、他:逆引きPD事典(東京医学社):92-93、2005
- 2. 西澤 欣子:腎と透析Vol66:821-824、2009
- 3. 都筑 優子、他:腎と透析Vol61(別冊 腹膜透析2006):278-279、2006
- 4. 清水 優佳、他:腎と透析Vol69(別冊 腹膜透析2010):273-275、2010
- 5. 西澤 欣子、他:腎と透析Vol61(別冊 腹膜透析2006):275-277、2006
- 6. 野田 一成、他:腎と透析Vol65:(別冊 腹膜透析2008):367-369、2008
- 7. Tomori K, et al:Am J Kidney Dis. Vol53:357-8、2009
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