腹膜透析(PD)

腹膜透析(PD)

適正透析と処方

腹膜透析(Peritoneal Dialysis:PD)の処方管理は残存腎機能と腹膜の週当たりの尿素Kt/Vを定期的に評価することはもちろんですが、定期外来で症例個々の腎不全症候、栄養状態などを確認しながら症例の全身状態を評価することが重要です。ここではPDの適正透析の基本をご紹介いたします。

 

1.適正透析と透析量

1)適正透析について日本透析医学会「腹膜透析ガイドライン2019」第二章 適正透析 ポイントより引用

  1. PDの適正透析に関する明確な定義は確立されていない。
  2. 溶質除去に関しては尿素を指標として、残存腎機能を含めた総Kt/V≧1.7が推奨されてきたが、全身状態を考慮せずに小分子溶質の除去効率だけを増加しても、死亡リスクを低減できるわけではない。
  3. 生命予後規定因子としては、残存腎機能が重要である。また無尿のPD患者では、限外濾過不全と死亡率の増加との間には強い相関が指摘されており、体液量の適切な管理が重要である。
  4. β2-ミクログロブリン(β2-MG)は生命予後に強いインパクトを与えるが、その濃度レベルは残存腎機能と相関し、PDの処方でこれを調節することは困難である。
  5. β2-MG以上の大きさの溶質を除去するには、PD + 血液透析(HD)併用療法が有用である。

 

PDの適正透析の明確な定義は現在のところ確立されていないため、本章では「物質除去や除水からみた適正透析」について解説します。
ただし本来のPDの治療効果については、「日本透析医学会 腹膜透析ガイドライン2019」や「ISPD 質の高い目標指向型の腹膜透析処方」で述べられているように全身状態をしっかりと評価することが重要です。

 

2)透析不足の臨床症状

  • 食思不振や嘔気・嘔吐などの消化器症状
  • 栄養状態の悪化
  • ESA(赤血球造血刺激因子、erythropoiesis- stimulating agent)抵抗性貧血
  • レストレスレッグ症侯群
  • 体液貯留傾向(水分除去不足)の臨床症候
  • 心不全徴侯(むくみ、胸腹水貯留)
  • 薬剤抵抗性高血圧

 

3)物質除去の評価 – 尿素クリアランス

4)適正透析の評価 – クリアランス

クリアランスとは老廃物(溶質)が透析液中に移動することによってきれいになった体液の量を表す概念で、左記の計算式で算出できます。PDの場合は尿素のクリアランスを週あたりに換算し、体液量および体表面積に合わせて補正します。

 

4)週当たりKT/V urea

5)週当たりKT/V urea

 
PD UN排泄量については、1交換(1バッグ)毎にUN濃度とPD排液量を乗じて算出するか、1日分の排液全量を1つの容器に集めてUN濃度と溶液量から1日当たりの総除去量を算出します。 体液量の算出については簡略化し、体重×0.58[L]で算出します。

 

5)KT/V urea の計算例

6)KT/V urea の計算例

 

6)週当たりのクレアチニンクリアランス(Ccr)

7)週当たりのクレアチニンクリアランス(Ccr)

 

7)Ccrの計算例

8)Ccrの計算例

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