スープレン吸入麻酔液は、本邦においては、「全身麻酔の維持」を「効能・効果」とする吸入麻酔薬として、2011年7月に販売を開始しました。
当サイトでは、麻酔業務に関わる医療従事者の皆様に向けて、下記のような特徴を持つスープレン吸入麻酔液を安全にご使用いただく為の参考資料を掲載しております。
特徴
- 吸入麻酔薬としての有効率は98.8%で、本剤の有効性が検証されました。(添付文書)
- 血液/ガス分配係数は0.424であり、組織への溶解性も低い薬剤です(in vitro)。
- 麻酔からの覚醒/回復(抜管までの時間)において、セボフルランに対する非劣性が検証されました。(添付文書)
- 炭素と結合力の強いフッ素のみでハロゲン化された化学構造であり、生体内での安定性が期待できます。
- 6.0%を30 分吸入時の血清中無機フッ素イオン及びトリフルオロ酢酸(TFA)濃度は、共に定量下限未満でした。
- 承認時までに、国内臨床試験で本剤を投与された安全性評価対象例169 例において、臨床検査値異常を含む副作用は106 例(62.7%)に200 件認められました。主な副作用は、悪心27.2%、嘔吐14.2%、ビリルビン増加12.4%、血圧低下9.5%、γ-GTP増加5.9%、AST(GOT)増加4.7%、心拍数減少4.7%等でした。
- 重大な副作用として、悪性高熱、高カリウム血症、重篤な不整脈、横紋筋融解症、ショック、アナフィラキシ-、肝機能障害、黄疸、及び喉頭痙攣(いずれも頻度不明)が報告されています。
スープレン麻酔 ポケットブック(デジタル版)
(監修:順天堂大学大学院医学研究科 麻酔科学 特任教授 稲田 英一 先生)
スープレン吸入麻酔液について知っておいていただきたい情報をまとめた小冊子「スープレン麻酔 ポケットブック」の中から、特にご使用にあたってご留意いただきたい点を3本の動画にまとめました。
本シリーズでは、スープレン吸入麻酔液の特徴を踏まえた使い方を投与開始、維持期、終了時の3回に分けて紹介しています。これからスープレン吸入麻酔液をご使用になる先生や、研修医の先生方にもお役立ていただく事ができるコンテンツですので、是非ご利用ください。
動画①:投与開始のタイミングと使い方
(監修:東京都済生会中央病院麻酔科集中治療科 佐藤 暢一 先生)
動画②:麻酔維持期の使い方
(監修:札幌医科大学医学部 麻酔科学講座 平田 直之 先生)
動画③:麻酔終了時の使い方
(監修:がん研有明病院 麻酔科 寺嶋 克幸 先生)