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カテーテル挿入術

SMAP(段階的導入法)

1993年にMoncriefとPopovichらによって考案されたカテーテル留置術が、わが国でも実施され、段階的導入法:Stepwise initiation of PD using Moncrief And Popovich technique、「SMAP」と名づけられています。

SMAPとは、カテーテルを留置する際に出口を作製せず、一旦、皮下に埋没し、透析を開始する時期に出口を作製しPDを開始する導入法です。SMAPを施行することで、幾つかの利点が患者および医療者側にもたらされます。導入時の合併症を軽減し、計画的導入が可能であることから、PDの普及に貢献しています。(窪田実 バクスター社CAPD manualカテーテル留置術,2013)


1)利点と欠点

利点

  • 腹膜透析(PD)の計画導入が可能となります。
  • 適切な時期/必要な時期にただちにPD導入が可能であり、透析液のリークの危険性が少なく、導入初期より十分な透析量を確保できます。
  • 一時的な血液透析への導入を回避できます。
  • 良好な精神状態における療法選択が可能となります。
  • 集中した導入指導が可能となり、悪者の自己管理意識の向上にもつながります。
  • 透析導入時期の延長が可能となります。
  • 入院期間の短縮や外来での計画的な導入が可能となります。
  • 埋没期間中のカテーテル管理が不要です。
  • 長期間のカテーテル皮下留置が可能です。

欠点

  • 腹腔内のカテーテル留置・埋没術後の情報が得られません。
  • 2回の手術が必要です。

(丹野有道、2011、「腹膜透析療法マニュアル」、東京医学社、P37-47)


2)カテーテル埋没(1)

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カテーテルを反転創から取り出した後に、閉塞予防、容易な出口作製、埋没中の皮下への腹水の漏出の予防を目的に将来出口になる部分にタイバンドを装着します。ヘパリン注入後にタイバンドを締めてカテーテルを閉塞させます。カテーテルの閉塞には、先端にシリコン栓を詰める方法、先端を糸で縛る方法などもあります。


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タイバンドの柄を切除した後にカテーテルをトロッカーにつなぎ、皮下トンネルを作製する。将来出口になるタイバンドの部分は皮下を浅く通過するように注意しましょう。カテーテルの全長が埋没できるようにカテーテルの長さよりも遠くの位置でトロッカーを皮下から穿通します。

(窪田実 バクスター社CAPD manualカテーテル留置術,2013)


3)カテーテル埋没(2)

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カテーテルを指で直接つかんで引っ張ると、タイバンドが皮下を通過します。


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つかんでいるカテーテルを離すと、伸張したカテーテルは縮んで自然に皮下に埋没されます。

(窪田実 バクスター社CAPD manualカテーテル留置術,2013)


4)カテーテル埋没(3)

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SMAPによるカテーテル留置・埋没後の腹部レントゲン

(窪田実 バクスター社CAPD manualカテーテル留置術,2013)


5)カテーテル出口作製

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タイバンドの位置を確認し、1.5mLの局所麻酔を1箇所のみに施し浸潤させる。尖刃で7mmの切開をおく。横切開より縦切開の方がカテーテルを容易に取り出せます。


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繊維状組織に包まれたタイバンドが完全に見えるまで剥離する。タイバンドを鉗子で確実に把持し、タイバンドとカテーテルを取り出す。切開創の辺縁は出口壁であるため挫滅しないように丁寧に扱いましょう。タイバンドを切除し、カテーテル機能を評価します。チタニウムアダプター、接続チューブを接続し、1.5L~2Lの透析液を注入してCAPDを開始します。

(窪田実 バクスター社CAPD manualカテーテル留置術,2013)