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適正透析と処方

2 - 2.腹膜平衡試験 (Peritoneal Equilibration Test;PET) - 2

3)PETカテゴリー

fig

High Transporter

時間当たりの溶質の透過性が高い一方で、浸透圧物質であるブドウ糖の吸収も早いため除水能が早期で低下するので、APDサイクラーなどを使用してブドウ糖透析液の短時間頻回貯留が推奨される性質のカテゴリーです。

Low Transporter

時間当たりの溶質の透過性が低い一方で、浸透圧物質であるブドウ糖の吸収も遅く除水能が長時間維持されるので、ブドウ糖透析液の長時間貯留が推奨される性質のカテゴリーです。また、溶質の除去能が低いことから、中分子量以上の尿毒症物質除去を念頭に一回当たりの注液量を増加したり、交換回数を増やして透析液量を増加させたりする必要が出てくる場合があります(High Dose PD)。

 


4)日本人でのPETカテゴリー分類

患者比率(%) カテゴリー 4時間 D/P 腹膜透過性の特徴
13% High(H) 0.82-1.03
  • 溶質がすばやく移行し、大変効率の良い膜
  • ブドウ糖の吸収が増加
  • 除水量の確保が困難
  • 血清アルブミン低値の恐れ
45% High Average(HA) 0.65-0.81
  • 効率の良い膜
  • 溶質の移行は良好
  • 除水についても良好
34% Low Average(LA) 0.50-0.64
  • やや効率が悪い膜
  • 溶質の移行はややゆっくり
  • 除水は良好
8% Low(L) 0.34-0.49
  • 溶質の移行が遅く、効率の悪い膜
  • 残存腎機能がないとクリアランスを稼ぐことは困難
  • 除水は非常に良好

大塚泰史、2011、「腹膜透析療法マニュアル」、東京医学社、P121-127

D/P Crは小分子量
物質の除去効率、D/DO Gluは除水効率を評価する指標となります。表は日本人のPD症例におけるPETカテゴリー別の症例比率と腹膜透過性の特徴を示しています。

PETで腹膜機能の特徴(透過性)を知ることが、適正な透析処方(透析液濃度、透析液量、貯留時間、交換頻度)を行うための一助となります。

 


5)PET結果に基づく療法選択の基本方針

カテゴリー CAPD(8L/日)での予測 NPD DAPD Std
CCPD
Std
CAPD
High
Dose
PD
限外濾過量 溶質除去量
H 不良 良好      
HA 比較的良好 良好      
LA 良好 比較的良好      
良好 不良        
L 非常に良好 不良        
DAPD : Daytime Ambulatory Peritoneal Dialysis
Std CCPD : 夜間6-8Lと昼間2Lを使用
Std CAPD : 1日8Lの透析液を使用
High Dose PD : 1日9L以上の透析液使用によるCAPD、
夜間8L以上、昼間2-4Lの透析液使用によるCCPD

表は腎機能喪失時の場合を示す
*より適している

Tawardowski Z.J.,et al.Clinical Value of Standard Equilibration Test in CARD Patients,Blood Purification. 1989, 7:95-108